はじめに

裁判において、契約書などの書面が重要であることは、言うまでもありません。

ところが、現実には、会社間の取引で契約書を取り交わすこと自体が馴染まない分野・業界も未だ多く存在します。また、契約書が作成されることが当たり前の分野・業界でも、公平な内容となっているか、力関係によって一方的な契約内容となっている場合もあります。

契約書は、当事者間の協議・合意した内容を整理し、お互いの認識を確認し、後日、当事者間の認識の違いを原因とするトラブルを防ぐ目的があります。

契約書の書式・雛型は、インターネットでも探すことができますが、本当に自分たちのケースに当てはまるのかを判断することは、素人には困難です。

私自身、一般の方が作成した契約書や覚え書を多く目にしてきましたが、事前にきちんと法律家に見てもらっていれば、トラブルにならなかったケースがほとんどです。

契約書作成の注意事項

どのような内容の契約書を作成するのかは、原則として当事者の自由です。ところが、契約書は、第三者の目から見ても分かるように、明確に記載しなければ解釈の違いによるトラブルが発生します。

また、どんな内容でも有効というわけではなく、法律の規制を受けることから、その分野の法律を念頭において契約書を作成しなければなりません。

契約書のタイトルは、「契約書」「合意書」「覚書」「念書」などさまざまですが、重要なのは内容なので、タイトルによって効果が変わることもありません。

企業間の契約書はもちろん、個人間の覚書を作成する際にも、一度弁護士に見てもらうことが将来の紛争の予防につながります。